秋山ブク「シチュエーションズ 5番:kanzan galleryの備品による」

写真記録:宇田川直寛、池村清可

キュレーター:小田島文顕

主催:Kanzan gallery

 

制作期間(非公開):2019年8月27(火)-9月2日(月)

公開日時:9/3(火)│12:00-19:30

 

ギャラリーの休廊期間に、毎日備品を組み替える作業を1週間行います。

9/3に最終形態を過程の記録とともに公開します。

*制作期間中はbukuakiyama Instagramアカウントより記録写真が投稿されます。

>> https://www.instagram.com/bukuakiyama/

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Buku Akiyama “Situations No.5: with equipment of kanzan gallery”

Photographers: Naohiro Utagawa, Kiyoka Ikemura

Curator: Fumiaki Odajima

private:2019/8/27(Tue.)-9/2(Mon.)

open : 9/3│12:00-19:30

 

 

このたびkanzan galleryにて、秋山ブク「シチュエーションズ 5番:kanzan galleryの備品による」を開催いたします。

休廊期間中のkanzan galleryに秋山が毎日足を運び、ギャラリー内の備品による構成、組み替えを継続的に行います。1週間(8/27-9/2)の制作期間中は非公開とし、ギャラリーはクローズします。日々変容する空間の記録を写真家・宇田川直寛、池村清可が撮影選別された画像がbukuakiyama Instagramアカウントより投稿されます会場の一般公開は8日目の9/3(火となります

秋山は2001年よりサイトスペシフィックなインスタレーションとして、その場にあるものだけでその場を即興的に構成する「コンポジション」シリーズをスタート。その後、「プレイスメント」「シチュエーションズ」などのシリーズを展開しています(各シリーズの詳細については下記[活動概要]を参照)。限定された環境と素材で、日常的身振りとしての配置のみによって造作されたバランスは、非常に直感的で作家にとっても全く予測することができません。

休廊中の空白空間に作家が介在することで、ギャラリーとしてのあらゆる要素が反転され、(本来備わっている)場そのもののポテンシャルが立ち現れます。一週間の継続的な空間の再構築を経て、最終形態として一般公開される会場では、鑑賞というよりはむしろ体感に近い感覚によって、鑑賞者の(本来備わっている)直感と想像力が自発的に起動し反応を示すでしょう。

 

[ステイトメント]

私は場とモノに関心があり、それらの関係を、自分が媒介した結果としての空間で提示してきた。場が捨象されると、とたんにモノは抽象的な素材となり、パッケージとして売買される一般的な絵画や彫刻やインスタレーションの固定的な部分へと取り込まれてしまう。私は、空間を日常の側に留めておきたい。そのために、場とモノの由来を現実に求めている(たとえギャラリーなどの展示施設で制作を行ったとしても、この原則からは逸脱していないと考える)。モノに着色や切断などの加工をせず、またその場にワイヤーで吊ったり釘で固定したり、照明で演出するようないわゆる展示的な造作をせずに組みあわせることは、場とモノを生きたまま存在させるための逆説的な技法である。

それによってできるアレンジメントの複合体としての空間は、最終的には解体され、元の在り様に戻される。展示期間中に何度も組みあわせを変える事もあるが、それも一つの関係性に収斂しない日常的な空間の在り様をなぞる行為かもしれない。

私は形成された空間の造形的な品質にはさほど興味が無いが、こういった行為を継続する事に興味がある。

 

[プロフィール]

秋山ブク

 

[略歴]

現在

 

[活動概要]

2001年より「コンポジション」シリーズとして、ギャラリー、店舗、倉庫、公民館、屋外公園、催事場、図書館などのその場にある備品だけで即興的に空間を構成する作品を作り続けている。2016 年より、一旦構成した作品を会期中に、自ら、あるいは協働者の力を借りて何回も組み直す「シチュエーションズ」を始める。2012 年より、モノとその場所が1対1で対応する作品シリーズ「プレイスメント」を始める。2017年より、レストランやカフェのテーブル上の備品や配膳された食器類を即興的に組み合わせ、その写真をSNSに投稿する「#table_arrangement」を始める。

>> https://www.instagram.com/bukuakiyama/

 

 

[展覧会歴]

2001  –   「コンポジション 1番:せんだいメディアテークの備品による」

        グループ展「東北大学工学部建築学科創立50周年記念展」/せんだいメディアテーク/宮城県

2008  –   個展「コンポジション 2番:hiromiyoshiiの備品による」

        FARM, the salon for art, Tokyo/東京都

2009  –   個展「記録と再構成」

        FARM, the salon for art, Tokyo/東京都

     –   個展「コンポジション 3番:大和公民館の備品による」

        大和公民館 会議室/新潟県

2010  –   個展「コンポジション 4番:遊・空間-uの備品による」

        遊・空間-u/京都府

     –   個展「コンポジション 5番:Factory Kyotoの備品による」

        Factory Kyoto/京都府

2011  –   個展「コンポジション 6番:梅香堂の備品による」

        梅香堂/大阪府

         –   「コンポジション 7番:ラフォーレミュージアム原宿の備品による」

        グループ展「Ba to Ma」/ラフォーレミュージアム原宿/東京都

2012  –   「コンポジション 8番:みずっちたんく(旧亀田浄水場)の備品による」

        グループ展「水と土の芸術祭2012」/みずっちたんく/新潟県

         –   「亀田小学校プロジェクト」インスタレーション+ワークショップ

        グループ展「水と土の芸術祭2012」子供プロジェクト/亀田小学校/新潟県/2012

         –   「コンポジション No.9:ほんぽーと(新潟市立中央図書館)の備品による」

        グループ展「水と土の芸術祭2012」/ほんぽーと/新潟県/2012

         –   「プレイスメント/ほんぽーと(新潟市立中央図書館)」

        グループ展「水と土の芸術祭2012」/ほんぽーと/新潟県/2012

2016  –   「コンポジション No.10:psmgの備品による」「プレイスメント/PANTALOON」

               グループ展「psmg」/PANTALOON/大阪府

         –   「コンポジション No.10:psmgの備品による」「プレイスメント/PANTALOON」

               グループ展「psmg」/PANTALOON/大阪府

         –   個展「シチュエーションズ No.1:NADiff NIEFUの備品による」

               NADiff NIEFU/東京都

         –   個展「プレイスメント/NADiff a/p/a/r/t」

               NADiff a/p/a/r/t/東京都

         –   個展「コンポジション 11番:下北沢世代の備品による」

               下北沢世代/台北市/台湾

2017  –   #table_arrangement」開始。→現在まで継続

         –   個展「シチュエーションズ  No.2:Parada Sanの備品による」コラボレーター:辺口芳典

              Parada San/大阪府

         –   「コンポジション  No.12:Pon Dingの備品による」

               グループ展「edition.nord|攝影集裝幀工作坊與迷你書展」Pon Ding/台北市/台湾

         –   個展「プレイスメント/アレンジメント」

               talklein/福井県

         –   二人展「どうにもならない」コラボレーター:宇田川直寛

              Talion Gallery/東京都

2019    04–   「シチュエーションズ  No.4/2019.04.24, 07.19–:BnA Alter Museumの備品による」/継続中

              「Situations No.4, 2019.04.24, 07.19–: with equipment of BnA Alter Museum」/work in progress

              「コンポジション No.13:BnA Alter Museumの備品による」

              「Composition No.13: with equipment of BnA Alter Museum」

              グループ展「TO SELF BUILD」BnA Alter Museum/京都府

           04–  「二つの即興的アレンジメント/2019.04.26/17:15–19:15:‘モアレ’の備品による」

              「Two improvised arrangements, 2019.04.26, 17:15–19:15: with equipment of ‘moire’」

              moire/京都府

           04–   個展「コンポジション  No.14:‘リサイクルショップ的な部屋’の備品による」

              「Composition No.13: with equipment of ‘Recycled Shop-like Rooms’」

              リサイクルショップ的な部屋/京都府

           05–  個展「シチュエーションズ  No.3:‘リサイクルショップ的な部屋’の備品による」/継続中

              「Situations No.3: with equipment of ‘Recycled Shop-like Rooms’」/work in progress

              リサイクルショップ的な部屋/京都府

           05–  個展「即興的アレンジメント、接触:‘itou’の備品による」

              「Improvised arrangement, contact: with equipment of ‘itou’」

              itou/京都府

 

[出版物]

2008 パンフレット『コンポジション  No.1:せんだいメディアテークの備品による』/FARM

2009 展覧会記録写真集『コンポジション  No.2:例外状態』写真・編集=山本真人/FARM+edition.nord

2012 ポストカード・セット『記録と再構成』写真=山本真人/edition.nord

2016 作品集『コンポジション  No.1-10とその派生物』写真=秋山ブク、山本真人、高嶋清俊/Rondade

2019 刊行予定:『#table_arrangement』/Rondade

 

 

 

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