Kanzan Curatorial Exchange「写真の無限 」vol.1
「 I hear you 」
横山 大介
キュレーター:菊田樹子
2022年4月26日[火]-6月12日[日]*会期延長となりました
[火曜-土曜]12:00-19:30
[日曜]12:00-17:00
月曜定休/入場無料
GALLERY TALK|5月28日[土]16:00-
谷口昌良(空蓮房房主・長應院住職・写真家)× 横山大介(写真家)
定員15名/要予約
>> YouTubeチャンネルより公開中
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[ステートメント]
『I hear you』
自分自身の吃音に最初に気づいたのは、小学校4年生の国語の本読みの授業だった。
先生に当てられ、いざ読み進めようとすると、言葉に詰まってうまく読めない。言葉を出せない焦りと恥ずかしさでますます緊張し、体から汗があふれてきた。体全体を使って言葉を捻り出し、なんとか読み終えたあと、クラス全員から「うまく読めていなかった」「言葉が詰まっていた」と指摘されたことが強く記憶に残っている。
その後、ふとしたきっかけで写真と出会い、「他者」を撮りはじめた。自分の思うように言葉でコミュニケーションをとるのが難しいぼくは、「他者に声をかけ、向き合い、カメラをとおして他者を見つめ、見つめ返される」ポートレート写真を撮る行為が、会話以上の他者とのコミュニケーションになると感じた。
被写体と向き合い、カメラを構えてしばらくすると、「この世界には、あなたとわたし、しかいないのかもしれない」という感覚を覚える。視線を交わし、お互いの呼吸を感じ、身体の動きに反応し、身体から生まれる音を聴く。
個人的な経験だが、この感覚(時間)というのは、他者と「うまく」会話ができている時に感じるものに近い。おそらくこの感覚(時間)を閉じ込めたいと思い、シャッターを切るのだろう。
人と人がコミュニケーションするのに、必ずしも「言葉」は必要ではないだろう。うまく喋れる必要もないだろう。
出来上がった写真に写る「あなた」の身体から放たれるさまざまな声を想像し、受けとめていただければうれしい。
横山大介
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[プロフィール]
横山大介 Daisuke Yokoyama
1982兵庫県尼崎市生まれ。
2005同志社大学文学部文化学科文化史学専攻卒業。同年、写真表現大学受講。
大阪市在住。
自身の吃音をきっかけに、他者との関係性やコミュニケーションのあり方を、ポートレート写真の手法を用いて考察している。
[個展]
2021「bind」KG+SQUARE by Chushin/京都
2018 「HIGASHIKAWA 2018」 東川町国際写真フェスティバル/北海道
2016 「TESHIMA 2012-2016」 食堂 101号室/香川 豊島
2016 「ひとりでできない」 新宿ニコンサロン,大阪ニコンサロン/東京,大阪
2014 「ひとりでできない」C.A.P. STUDIO Y3/兵庫
2013 「交換」 MIO PHOTO OSAKA天王寺ミオ/大阪
[グループ展]
2019-2020「timelake-シングルスクリーン/取り巻く息を吐く瞬間」 (映像)
minamo,motif/高松、Toovcafe/gallery/札幌、Kanzan gallery/東京、The Third Gallery Aya,遊糸洞/大阪
2018 「SITE」 Art-Space TARN/奈良
2018 「あなた/わたし」 塩竈フォトフェスティバル 2018/宮城
2016 「I Only Have Eyes For You」 中之島バンクスde sign de>/大阪
2015 「フォトふれNEXT PROJECT EXHIBITION 2015」 東川町国際写真フェスティバル/北海道
2013 「豊島MEETING 2013-ART in片山邸」 香川県土庄町指定有形文化財片山邸/香川 豊島
[アーティスト・イン・レジデンス]
2018東川町国際写真フェスティバル(北海道 東川町)
2018 TENRI ARTIST-IN-RESIDENCE in NARA(奈良県 天理市)
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Kanzan Curatorial Exchange「写真の無限」vol.1
全4回の展示を通して、既存のカテゴリーでは捉えられない、写真表現の果てない広がりについて考える展覧会シリーズ。当展はその第一回。
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