Kanzan Gallery 特別展示

Forgotten light of the private days

Witold Romer - ヴィトルド・レーマー 「あの日々の、忘れられた光」

キュレーター:マチエイ・ブイコ Maciej Bujko

協力:菊田樹子

 

2017年12月8日(金)- 12月27日(水)

入場無料

 

 

 

 

 

 Kanzan Galleryでは、ポーランド・ヴロツワフでTIFF写真フェスティバルを主催するマチエイ・ブイコ(Maciej Bujko)を迎え、ポーランドの写真家、ヴィトルド・レーマーの日本初となる個展を開催します。

 ヴィトルド・レーマー(Witold Romer 1900年—1967年)は、ポーランド写真史上で最も重要なアーティストの1人でありながら、その活動期が、ポーランドが2つの大戦に翻弄されていた時期と重なったこと、そしてアーティストと科学者という異なる2つの顔を持っていたことなどから、長きにわたり知られざる存在でした。近年、個人のアーカイブが発見され、その作品の全貌が明らかになりつつあります。今回は、当時、揺れ動く故国に新たな道を開こうとしたポーランドの知識人たちのプライベートを活写したポートレートや風景写真を中心に、レーマーの繊細な表現の魅力に迫ります。

 

▶TALK : 12月8日(金) 18:30-

マチエイ・ブイコ × 菊田樹子(インディペンデント・キュレーター)

無料/定員20名/要予約

TEL. 03-6240-9807

▶RECEPTION:19:30−

 

【アーティスト】

Witold Romer 1900年-1967年

ポーランドの写真家。1945年までポーランド領だったリヴィフに生まれる。第二次世界大戦後、ヴロツワフ(長きにわたりドイツ領であり、1945年にポーランドとなった)に移住。写真の色調をコントロールするイゾへリア(Izohelia)技術を発明し、ヴロツワフの技術大学で写真技術学科を創設した。彼の写真は、絵画にその起源があるにも関わらず、ドキュメンタリーやルポルタージュへの先見を有していた。彼がカメラに収めた戦争直前のポーランドにおけるユニークな瞬間——タトラ山脈の賑わう町と当時の知識人たちののどかなひととき——からは、意外とも言える戦中のポーランドのリアルな姿や、彼の繊細な感性を窺い知ることができる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【キュレーター】

Maciej

Bujko マチエイ・ブエコ

1989年生まれ。TIFF 写真フェスティバル(ヴロツワフ、ポーランド)のプログラム・ディレクター。キュレーション、芸術文化プロジェクトの運営も手がける。インスティチュート・オブ・クリエイティブ・フォトグラフィー(チェコ)とポーランド国立映画学校を卒業(現在、同校の博士課程)。2011年にTIFFコレクティブと写真フェスティバルを共同で立ち上げ、2017年より、TIFFセンターのオープンに向けての活動を開始した。

 

【テキスト】

Witold Romer - Forgotten light of the private days

ヴィトルド・レーマー(Witold Romer)は、ポーランド写真史上で最も重要なアーティストの1人であるが、矛盾したことに、彼はその中でも最も認知度が低く、彼を知らしめる活動もされていない1人でもある。それは、アーティストでも科学者でもあったという異質性、そして、彼の個人のアーカイブの発見が近年だったことにも起因している

 

1900年生まれのレーマーは、イゾへリア(izohelia)技法(光の強さでトーンを8つに分け、低い解像度の写真の現像を可能にする方法)の生みの親であり、当時彼の周りにいた、主にポーランドの知識人のグループを、とても注意深く繊細に眺めていた観察者であった。

 

ポーランドにおける戦中は、他のヨーロッパ諸国と比較して非常に独特で、特徴的な時期であったことも強調すべきである。123年間という長い不在の後、ポーランドは再び立ち現れた。新しいエリートたちは、常に紛争が引き起こされる可能性のある多国籍で多様な社会において、国家のアイデンティティを構築しようとしていた。教授、教師、芸術家、作家、ジャーナリストなどで構成されていたポーランドの知識人たちは、このプロセスで大きな役割を果たした。彼らには専門的な仕事を担う生活のほかに、まるでおとぎ話のような2つ目の、とてもプライベートな生活があった。神秘的なタトラ山脈であろうと小さな田舎町であろうと、ヴィトルド・レーマーは常にそこにいて、驚くほど興味深い人々や瞬間をとらえたのである。

 

「あの日々の、忘れられた光」は、2011年に発見されたヴィトルド・レーマーの孫である、バーバラ・レーマーの個人的なアーカイブからセレクトした作品で構成される。現代の私たちにはエキゾチックとも言える、過去の世界の1枚のイメージは、ある1人の内面から生まれたものである。このユニークで美しい写真は、私たちに想像力を駆使して「あの時」を熟考するよううながすのである。

 

キュレーター

マチエイ・ブイコ Maciej Bujko

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Witold Romer 1900年—1967年

ポーランドの写真家。1945年までポーランド領だったリヴィフ(現ウクライナ)に生まれる。第二次世界大戦後、故郷がロシア領となったため、ヴロツワフ(長きにわたりドイツ領であり、1945年にポーランドとなった)に移住した。写真の色調をコントロールするイゾへリア(Izohelia)技術を発明し、ヴロツワフの技術大学で写真技術学科を創設した。彼の写真は、ポーランドの多くの公立美術館でコレクションされている。その作品の起源は絵画にあるにも関わらず、ドキュメンタリーやルポルタージュへの先見を有していた。様々な題材を撮影したが、どの作品にも流れる通底低音は、プロとしても技術・芸術の知識をベースとしながらも、そこはことなく漂う「アマチュアリズム」であり、それが彼の作品の魅力となっている。

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